Androidという技術の幻想

本エントリーはAndroid  Advent Calendarへの寄稿になります。関係無いですが、昨日は皆既月食でした。みなさんは見られましたでしょうか?

技術的要素はありません(笑)ぼくがAndroidに2007年末に絡んでから、自分自身の変化を通してAndroidとはなんだったのか振り返ってみようと思います。これからAndroidを始めようと思っている人。Androidに飛びついたけど、これからどうしようと思っている人の参考になればと思います。

始まり

2007年、某メーカの研究所でカーナビ関連のソフトウェア開発をしていたときに見つけた記事「Androidの野望」から全ては始まりました。当時ぼくはカーナビの情報ソースとして、ネット上のコンテンツの取得ができないかと考えていました。記事を読んだ感じでは組込みにも適用できるし、Javaで書けてネットワークコンテンツにアクセスできる。Intentという動的バインドの仕組みもある。当時、開発工数と機能追加が割りに合わないなーと感じていたぼくにとっては「これを使えば工数は削減できるし、全く違う切り口でカーナビが作れる」と考えました。 

試行錯誤

とにかく情報がない。社内でも誰も知らない。ということで「Android勉強会」なる社外のセミナーに行くことに。普段は参加しない「懇親会」に参加して衝撃を受けました。社内では遭遇しないスキルの持ち主がゴロゴロいる。かなりのショックでした。特にAndroidの場合、LinuxカーネルからJavaアプリ、そしてWebサーバ・アプリとレイヤーの下から上まで多くの技術者が集まっていました。その後、情報を得るのはほとんど社外のコミュニティや、それを通した人とのやりとりになっていきました。

一方で社内ではどうかというと状況は芳しくなく、これがイノベーションのジレンマなんだろうなーと感じながら自分が間違っているのか、社内が思考停止なのか色々悩みました。当時聞こえてきた感じでは「何やってんの?」「難しくて理解出来ない」「Javaを現場で使える技術者がいない」今普通に目の前の仕事してる人たちからするとそうだろうなー(とはいっても、一応研究所!)と勝手に解釈しながら、社外の凄い人達にお世話になりながらスキルを身につけることを第一に進めていました。またこの頃からTwitterやfacebookを始めたことで、(業務時間中にでもコッソリ)問題をリアルタイムに解決できたり、情報を共有できるようになりました。そしてこれが物凄く有効な開発手法(!?)だということに気が付きました。

転機

その後、研究所の発表会や社内でのセミナー活動の成果もあって、ようやくAndroidがどんなものか理解されるようになりました。日本Androidの会の立ち上げにも参加しました。実機が手に入り、書籍もチラホラ出てくるようになり、ようやく実機でのアプリのプロトタイプ作成ができるようになりました。当時GPSを使ったGoogleMapベースのカーナビっぽいアプリを10日程度で作成できたのは感動しましたし、ある意味その簡単さに「これはヤバイ・・・」と感じました。とにかくガッツリ開発をやってみてAndroidで開発するメリット・デメリットを確認しないと、どういった分野・製品に適用可能なのかわかりません。そこでAndroidの開発ができるITベンチャーへ転職しました。転職はタイミング良く?知り合いから声が掛かったと言うのもあります。ここで目標としていたのは、Androidの開発現場、(組込みとは違う)開発手法、ソーシャルネットワークの利用方法など、組込み業界では当時必要とされない別の技術や知識を習得しようと考えていました。組込みとITを組み合わせる方法を前から考えていたのですが、やはり課題はその「スピードの違い」ITでは半年先のトレンドくらいしか想定できないが、組込みでは2〜3年先の想定はできます。Androidのアプリ開発は企画から開発までが少人数でサイクルが短いし、デザイナとの距離も組込みに比べれば近い。そして現在のAndroidアプリのトレンドはUI/UXに焦点を当ててプロダクトを創るという感じです。

今、そしてこれから

Androidを始めてから4年、ほとんどの人が「Android」を認識しています。技術的にも情報過多となり、だいぶ浸透してプレイヤーもあっという間に増えました。Androidという技術のおかげで、ぼくは成長できたと思っています。しかしAndroidはしょせん技術に過ぎません。人は技術という背景の元に成長できるんだと改めて感じています。TwitterのTLの仲間やfacebook上の友人、Androidという技術をハブにして集まった多くの人のおかげで成長できたと思っています。「AndroidはiPhoneより使いづらい」「Androidはオワコンだ」正直そんなことはどうでもいいのです。技術者は技術を発見、人と共有・交流することで成長できます。さらに今の時代それは社内だけではなく、社外の技術者との共有・交流によって可能性が広がっていますし、新たな産業はこういったボトムアップ型から始まることもあるんじゃないかと感じています。そういった中でこのAdvent Calendarも、ようてんさん(@youten_redo)の声掛けで集まった有志によるものです。これからの時代の技術者は社内だけで通用する人材は必要なくなっていきます。技術はどんどん難しくなり、全てのことを一人、あるいは一社でやるのは難しくなっています。技術を使った「モノ」づくりから脱却し、技術を共有し「コト」づくりを試行錯誤する時代になっています。Androidは今流行りの技術の一つに過ぎません。Androidという技術の幻想を打ち破り、技術者としてどうなりたいか?を自分自身で考えてみる時間を作ってみてはどうでしょうか?(Androidをdisってるわけではないですよ念のため)

オチ

というわけで2011年12月末日をもって、現職のITベンチャーを退職することにしました。ここで勉強したソーシャルの活用やAndroidの開発手法、課題などを糧にして、また次のステージで頑張ろうと思います。最後にこのエントリーはすごく参考になりました。そしてこれを書いてる最中にこんな記事が出てたりして、なんともタイムリーですね(^^;

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